症例
口腔内大量出血をきたした放射線性骨壊死による椎骨動脈仮性動脈瘤の1例
加藤 大地
1
,
渡辺 大介
,
岡田 博史
,
田中 悠二郎
,
星野 孝省
,
檮木 治
,
橋本 孝朗
,
河野 道宏
1東京医科大学附属病院 脳神経外科
キーワード:
Enbucrilate
,
口腔出血
,
抗腫瘍剤
,
喉頭腫瘍
,
放射線骨壊死
,
MRI
,
塞栓術
,
X線CT
,
椎骨動脈
,
動脈瘤-偽性
,
三次元イメージング
,
CT血管造影
,
放射線化学療法
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Antineoplastic Agents
,
Embolization, Therapeutic
,
Enbucrilate
,
Oral Hemorrhage
,
Laryngeal Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteoradionecrosis
,
Vertebral Artery
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Aneurysm, False
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Chemoradiotherapy
pp.933-936
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016371957
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症例は67歳男性で、10年前に喉頸癌に対して化学療法・放射線療法を施行した。その後、放射線性喉頭壊死による気道・喉頭狭窄を認め、喉頭摘出術・大胸筋皮弁移植術を行った。頸椎不安定性の診断でフィラデルフィアカラーを装着していた。突然の口腔内出血が出現し、緊急入院となった。上部消化管内視鏡検査では出血源は不明であり、入院後もたびたび少量の口腔内出血を繰り返した。放射線照射に伴った第5・6頸推の骨壊死により椎体の不安定性が増強し、左椎骨動脈に損傷が加わったこと、放射線により動脈が障害されたことで動脈瘤が形成されたものと考えられた。造影剤が停滞する所見などより仮性動脈瘤と診断した。喉頭摘出術大胸筋皮弁移植術の手術歴があり、内側前方向の仮性動脈瘤が破裂した際に咽頭後壁から口腔内に出血したものと判断した。左椎骨動脈仮性動脈瘤を含む母血管閉塞術を計画した。塞栓術後、口腔内出血は止血され、DIC、意識レベルは経過とともに改善した。明らかな神経脱落症状は認めなかった。原病に対する治療を継続し、リハビリテーションを行った後、自宅へ独歩退院となった。
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