症例
特発性頸部内頸動脈解離に対して頸動脈ステント留置術が有用であった1例
郭 樟吾
1
,
石橋 敏寛
,
菅 一成
,
西村 健吾
,
結城 一郎
,
岩本 哲明
,
村山 雄一
1東京慈恵会医科大学 脳神経外科
キーワード:
カテーテル法
,
MRI
,
ステント
,
内頸動脈
,
脳血管造影
,
頸動脈狭窄
,
内頸動脈解離
,
動脈硬化プラーク
Keyword:
Carotid Artery, Internal
,
Catheterization
,
Cerebral Angiography
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Stents
,
Carotid Stenosis
,
Carotid Artery, Internal, Dissection
,
Plaque, Atherosclerotic
pp.317-320
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017145742
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症例は35歳女性で、頸部の指圧マッサージ中に突然の構音障害と右片麻痺が出現し、頭部MRIで左頭頂葉部に脳梗塞を認めた。頭部MRI拡散強調画像にて左頭頂葉部に高信号域、頸部MRIで左頸部内頸動脈の狭窄と脆弱性のプラークを認めた。脳血管撮影では左頸部内頸動脈の高度狭窄に伴うstring signを認めた。画像所見より特発性頸部内頸動脈解離を疑い、抗血小板剤を中心とした内科的治療を行ったが右不全片麻痺の増悪を認めた。内科治療抵抗性と判断し、発症7日後に局所麻酔下にて右大腿動脈より9Frガイディングカテーテルを用いた頸動脈ステント術を行った。術後は、アルガトロバンを1日間使用、抗血小板剤はアスピリンとシロスタゾール内服とした。術後早期にリハビリを行い、軽度の感覚障害を残すものの発症33日後に独歩退院となった。術1年後の血管撮影で明らかなステント内血栓や、再狭窄は認めなかった。
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