発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264912
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心臓手術前に頸動脈高度狭窄に対する頸動脈ステント(CAS)留置を行った5例(男4例、女1例、平均73.0歳)について報告した。使用ステントはWallstent RPが3例、PRECISEが2例で、遠位塞栓予防デバイスを全例に使用し、施行時間平均101分であった。CAS時合併症としてショックを1例に認め、重症大動脈狭窄症と左前下行枝99%狭窄を有する患者で、CAS後に拡張を行った際に迷走神経反射で徐脈から一時心停止となった。カテコラミンを使用しながら一時ペーシングを挿入し、状態はすみやかに改善した。他の1例に意識障害を伴う一過性の不全片麻痺が認められた。CAS後23~78日で開心術を施行し、全例体外循環使用下に冠状動脈バイパス術を行った。手術死亡、術後脳卒中はなく、術後挿管時間平均7.2時間、集中治療室滞在3.0日であった。術後合併症は1例に周術期心筋梗塞を認めたが、血行動態に影響はなく、全例の術後在院日数は平均21.2日であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012