発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006186475
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脳動脈解離は,若年脳梗塞の多くを占める重要な病態であり,欧米では頭蓋外動脈解離,内頸動脈解離が圧倒的に多いのに対し,本邦では頭蓋内解離,椎骨脳底動脈解離が多い.解離の状態により,くも膜下出血,脳虚血(もしくは両者)を起こしうる.何らかの頭頸部痛を伴うことが多く,頭痛のみで発症する例もある.血管造影/MRAで観察されるpearl and string signやtapered occlusion,解離性動脈瘤に加え,MRI T1強調画像でのintramural hematomaや,MRA元画像でのintimal flapを確認することで,確定診断が可能である.現段階では治療のエビデンスは確立されていないものの,頭蓋外解離例では急性期の抗血栓療法は有効であると考えられる
©Nankodo Co., Ltd., 2006