特集 胸部の最新画像情報2017
症例
18F-fluorodeoxyglucose-PET/CTが治療方針の決定に有用であった肺原発平滑筋肉腫の1例
山崎 晴菜
1
,
門澤 秀一
,
湯淺 奈美
,
大木 穂高
,
枡屋 大輝
,
伊藤 利江子
,
藤盛 孝博
1神鋼記念会神鋼記念病院 放射線診断科
キーワード:
胸部X線診断
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
平滑筋肉腫
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
胸部CT
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Leiomyosarcoma
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Fluorodeoxyglucose F18
pp.221-224
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017142939
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は50歳代女性で、持続する咳嗽を主訴に受診した。胸部単純写真では、右上肺野に長径4cm大の境界明瞭な腫瘤を認めた。CT検査では、右肺上葉に縦隔胸膜に接する4×3cmの類円形の腫瘤を認めた。腫瘤内部に石灰化や脂肪濃度は認めず、造影CTでは比較的均一な軽度の増強効果を示した。FDG-PET/CT検査では、右肺上葉の腫瘤に一致して強い集積を認めたが、その他の部位に明らかな異常集積を認めなかった。気管支鏡検査は施行しなかった。腫瘤は比較的大きく、FDG-PET/CTで集積亢進を認めたことから悪性を否定できないと考え、診断も兼ねて外科的切除の方針となった。右肺上葉切除術を施行した。病理所見では、肺原発平滑筋肉腫と診断した。術後経過に問題なく、胸部CTおよびFDG-PET/CT検査で経過観察した。術後3年9ヵ月で左肺下葉に肺転移が出現し、左肺下葉部分切除術を施行した。病理所見は平滑筋肉腫の肺転移として矛盾しないものであった。その後も2ヶ所に肺転移が出現し、これらに対しても部分切除を施行したが、原発巣切除より6年2ヵ月後に多発リンパ節転移の出現を認め、化学療法を検討中である。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.