特集 腹部の最新画像情報2016
症例
子宮広間膜由来と考えられた平滑筋肉腫の1例
蟹江 悠一郎
1
,
三森 天人
,
和仁 洋治
,
金澤 右
1岡山大学病院 放射線科
キーワード:
Calmodulin-Binding Proteins
,
Desmin
,
MRI
,
子宮広間膜
,
子宮摘出術
,
子宮付属器疾患
,
生殖器腫瘍-女性
,
X線CT
,
平滑筋肉腫
,
免疫組織化学
Keyword:
Adnexal Diseases
,
Calmodulin-Binding Proteins
,
Broad Ligament
,
Desmin
,
Genital Neoplasms, Female
,
Hysterectomy
,
Leiomyosarcoma
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.829-833
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319481
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60歳代。下腹部痛を主訴とした。血液生化学検査ではLDH、CA125、sIL2-Rの上昇がみられ、骨盤部CT、MRIでは骨盤内に約15cm大の分葉状の充実性腫瘤を認めた。CTの動脈相では腫瘍への子宮動脈の関与が明瞭で、MRI T2強調像では内部不均一で筋よりも高信号、T1強調像では比較的均一な低信号を呈し、中心部に浮腫様の像を認めた。dynamic studyや造影MRIの所見も併せて上皮性腫瘍を疑い、腫瘍を含めた子宮および両側付属器の摘出術を行った。組織学的に紡錘形細胞の増殖、核の多形性や核分裂像、散在性の壊死を認め、免疫染色より平滑筋肉腫と診断した。また、腫瘍は子宮と接しているものの子宮由来を示唆する画像所見を認めず、卵巣由来の腫瘍との鑑別を要したが、正常な左卵巣と思われる構造物が腫瘤に接して存在していたため、子宮広間膜由来の平滑筋肉腫と考えられた。
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