特集 腹部の最新画像情報2016
症例
急速増大を示した卵黄嚢腫瘍の1例
椋田 奈保子
1
,
福永 健
,
藤井 進也
,
井上 千恵
,
谷口 文紀
,
野坂 加苗
,
内田 伸恵
,
小川 敏英
1鳥取大学 医学部病態解析医学講座画像診断治療学分野
キーワード:
Alpha-Fetoproteins
,
壊死
,
MRI
,
卵巣腫瘍
,
卵巣摘出術
,
卵巣嚢胞
,
内胚葉洞腫瘍
,
病勢悪化
,
緊急検査
,
卵巣出血
Keyword:
alpha-Fetoproteins
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Necrosis
,
Ovarian Cysts
,
Ovarian Neoplasms
,
Ovariectomy
,
Disease Progression
,
Endodermal Sinus Tumor
pp.835-838
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319482
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30歳代前半(未経妊)。不妊治療中に経腟超音波検査でダグラス窩の腫瘤を指摘された。MRIではダグラス窩に8cm大の腫瘤を認め、充実成分は間質の浮腫、富血管性の腫瘍や壊死を反映する所見を呈したが、明らかな出血は指摘できなかった。15日後に発熱・下腹部痛が出現し、緊急MRIを行ったところ、腫瘤は14cm大に増大して強い造影増強効果を伴う充実部分と、多数の嚢胞、壊死を疑う造影不良域を伴っており、腫瘤内にはT1強調像で高信号、T2およびT2*強調像で低信号の領域を認めた。画像所見より卵黄膿腫瘍を疑い、緊急左付属器摘出術を行ったところ、病理組織像では腫瘍内に広範な出血壊死や嚢胞構造を認め、Schiller-Duval bodyの出現、α-フェトプロテイン陽性より卵黄膿腫瘍と診断した。
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