特集 腹部の最新画像情報2016
症例
肝に多発AP shunt様所見を呈した多臓器結核の1例
永井 圭一
1
,
高田 健次
,
服部 由紀
,
山本 亨
,
吉川 淳
,
青柳 裕之
1福井県立病院 放射線科
キーワード:
肝動脈
,
結核-リンパ節
,
動静脈瘻
,
門脈
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
陽電子放射型断層撮影
,
マルチモーダルイメージング
,
肝内短絡路
,
腹部CT
Keyword:
Arteriovenous Fistula
,
Hepatic Artery
,
Portal Vein
,
Tuberculosis, Lymph Node
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
,
Multimodal Imaging
pp.757-762
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319468
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70歳代女。C型肝硬変、肝細胞癌TACE後の定期経過観察で施行した腹部造影CTで、肝の多発結節性病変、膵尾部腫瘤、傍大動脈領域の複数のリンパ節腫大を認めた。腫瘍マーカーはいずれも正常範囲内であったが、sIL2-R高値と炎症反応の軽度上昇を認め、腹部造影CTにて肝に多発する数mm大の結節性病変は造影早期相で結節状に増強され、AP shunt様の所見であった。膵癌の肝転移も鑑別と考えられ、FDG-PET/CTで左頸部や縦隔、傍大動脈領域、子宮腔内や右卵巣に異常集積を認めたため、左頸部リンパ節および子宮内膜より生検を行った結果、乾酪壊死、Langhans型巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫を認め、多臓器結核と診断した。
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