特集 PET・SPECT 核医学update
診療
脳血流SPECTを用いた慢性脳動脈閉塞症例における側副血行の検討 側副血行による動態脳血流SPECTの集積遅延への影響
曽原 康二
1
,
水村 直
,
石井 亘友
,
近藤 康介
,
福島 大輔
,
周郷 延雄
,
汲田 伸一郎
1日本医科大学附属病院 放射線科
キーワード:
病的狭窄
,
側副循環
,
SPECT
,
内頸動脈
,
脳循環
,
ROC曲線
,
頸動脈狭窄
,
Iofetamine
,
前大脳動脈
,
大脳動脈疾患
,
中大脳動脈
,
中大脳動脈梗塞
,
ROI (画像診断)
Keyword:
Carotid Artery, Internal
,
Cerebral Arterial Diseases
,
Constriction, Pathologic
,
Collateral Circulation
,
Cerebrovascular Circulation
,
ROC Curve
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
Carotid Stenosis
,
Infarction, Middle Cerebral Artery
,
Middle Cerebral Artery
,
Anterior Cerebral Artery
,
Iofetamine
pp.675-686
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016286250
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脳血流SPECTを用いた慢性脳動脈閉塞症例における側副血行について検討した。片側性慢性脳動脈閉塞性疾患19例(男性13名、女性6名、71.0±8.2歳)を対象とした。全例で動態画像の形態学的標準化に成功した。主幹脳動脈領域では、ICA領域では動脈早期、後期とも側副血行に有無にかかわらず、健側患側比はおよそ1.0となったが、MCA領域では側副血行陽性群で早期、後期の健側患側比が1.0未満満となり、血液流入が遅延した。側副血行陰性群で早期、後期で健側患側比は1.0を超えて血液流入が亢進した。ACA領域では側副血行陽性群で健側健側比が早期はおよそ1.0であるが、後期において1.0未満となり、血流遅延する傾向にあった。動態早期のMCAc領域における健側患側比で有意差が得られた。Fischer検定では血管造影とSPECTによる側副血行評価には有意な関連性がみられ、感度69%、特異度100%、正診率は79%を示し、陽性的中率100%、陰性的中率が60%となった。
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