特集 PET・SPECT 核医学update
診療
FDG-PETで後方視的には指摘可能な悪性腫瘍の検討
中村 匡希
1
,
菅 剛
,
小田 晃義
,
西岡 真美
,
御前 隆
1天理よろづ相談所病院 放射線部
キーワード:
誤診
,
腫瘍
,
X線CT
,
肺腫瘍
,
骨盤内腫瘍
,
後向き研究
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
陽電子放射型断層撮影
,
マルチモーダルイメージング
Keyword:
Diagnostic Errors
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasms
,
Pelvic Neoplasms
,
Retrospective Studies
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
,
Multimodal Imaging
pp.667-673
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016286249
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FDG-PETで後方視的には指摘可能な悪性腫瘍について検討した。FDG-PHT/CT検査を施行した2619例を対象とした。23例(0.88%)に、PET診断時には指摘されていなかった有意なFDG集積を伴う悪性腫瘍病変を認めた。原因は「集積が軽度」が13例と最も多く、次いで「生理的集積と鑑別困難」や「SOS error」が10例ずつみられた。23例中、既知腫瘍由来の転移や再発は14例で、その他の偶発的な腫瘍が9例であった。肺野と骨盤内病変が多く、それぞれ6例、7例であり、FDG排泄で評価が困難となりやすい泌尿器系にも指摘可能な病変が存在した。PET検査施行から、病変が検出されるまでの期間は7~511日(中央値126日)であった。指摘されなかったことが治療方針に影響したと思われるものは16例あったが、そのうち予後に大きな影響を与えたと思われたのは2例であった。
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