特集 角化症・炎症性角化症
外陰部の丘疹状棘融解性異常角化症の1例
川村 真樹
1
,
真嶋 光
,
相場 節也
1東北大学 大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座皮膚科学分野
キーワード:
棘融解
,
Petrolatum
,
外陰疾患
,
角化症
,
生検
,
経皮投与
,
丘疹
Keyword:
Acantholysis
,
Administration, Cutaneous
,
Biopsy
,
Keratosis
,
Vulvar Diseases
,
Petrolatum
pp.427-430
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017233465
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71歳女性。精神疾患のため長期療養中であった。今回、おむつ使用中に陰部、鼠径部、肛囲にそう痒を伴う丘疹が出現した。近医でステロイド外用や陰部洗浄の処置を受けるも軽快と再発を繰り返し、生検にて棘融解が認められたため、診断について当院へコンサルトとなった。受診時、肛門周囲に一部びらんを伴う丘疹がみられたが、体幹などには皮疹はみられず、家族歴もなかった。臨床検査では抗デスモグレイン抗体1、3陰性、抗BP180抗体陰性で、病理組織学的に棘融解を認めたことから、外陰部に限局する丘疹状棘融解性異常角化症と診断された。当院コンサルト時には軽快して肛門周囲のみの皮疹であり、プロペト外用で尿の接触から皮膚を保護し、外陰部の清潔保持することで、軽快状態を維持できた。
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