特集 角化症・炎症性角化症
手掌・足底に発症し、切除および液体窒素療法で一部寛解したCircumscribed Palmar or Plantar Hypokeratosisの1例
山瀬 綾
1
,
幸野 健
,
土屋 麗
,
川嵜 裕史
,
秋山 美知子
,
二宮 里紗
,
久保田 智樹
,
佐伯 秀久
1日本医科大学千葉北総病院 皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
Ketoconazole
,
Petrolatum
,
角化症
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
白癬-足部
,
皮膚疾患-手部
,
皮膚疾患-足部
,
Maxacalcitol
,
Betamethasone Butyrate Propionate
,
液体窒素
Keyword:
Administration, Oral
,
Administration, Cutaneous
,
Drug Therapy, Combination
,
Etretinate
,
Foot Dermatoses
,
Hand Dermatoses
,
Ketoconazole
,
Keratosis
,
Tinea Pedis
,
Maxacalcitol
,
Petrolatum
pp.1083-1087
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305026
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71歳女。26歳時から左足内側部に点状の陥凹病変があり、徐々に拡大した。35歳時に近医でステロイドと抗真菌薬の外用、69歳時にワセリンと抗菌薬の外用が行われたが、いずれも奏効せず、同部にそう痒感と知覚過敏が出現したため当科受診した。左足内側部辺縁に鱗屑を伴う境界明瞭で軽度陥凹する33×20mm大の平坦な淡紅色斑を認め、さらに左手母指球部と左足第1趾基部にも同様の皮疹を認めた。左足内側部の皮膚生検で皮疹辺縁部から病変部にかけて角層の階段状菲薄化と顆粒細胞層の減少を認め、左第1趾基部の生検でも同様の所見を認めたことからCircumscribed palmar or plantar hypokeratosisと診断した。治療は、左手母指球部の病変に対しては液体窒素療法を3回行い、病変は消失した。左足内側部の病変には液体窒素療法を11回行い、4回目施行後に島状の正常角化皮膚が出現し、その後も正常皮膚が拡大し続けた。全摘生検を行った左第1趾基部の病変は、9ヵ月後の現在まで再発を認めていない。
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