Japanese
English
症例報告
外陰部丘疹状棘融解性異常角化症の1例
A case of papular acantholytic dyskeratosis of the genital area
安島 さやか
1
,
佐野 友佑
1
,
橋爪 秀夫
1
Sayaka AJIMA
1
,
Yusuke SANO
1
,
Hideo HASHIZUME
1
1磐田市立総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Iwata City Hospital, Iwata, Japan
キーワード:
外陰部
,
棘融解
,
異常角化
,
丘疹状棘融解性異常角化症
Keyword:
外陰部
,
棘融解
,
異常角化
,
丘疹状棘融解性異常角化症
pp.1077-1079
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206850
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 79歳,女性.家族歴特記事項なし.内科入院中,発症時期不明の陰部の皮疹に気づいた.その他の部位に皮疹はなかった.抗デスモグレイン1,3抗体陰性だった.肛門周囲に毛孔不一致性の白色丘疹が多発し,皮膚生検で棘融解と異常角化を認め,外陰部丘疹状棘融解性異常角化症と診断した.これまで報告された50例をまとめると,平均40歳の女性の外陰部や肛門周囲に好発する無症状の白色丘疹および局面状の皮疹が本症の特徴である.Darier病やHailey-Hailey病の病因遺伝子であるACP2A2またはATP2C1遺伝子のモザイク変異の報告例があるが,まだ不明な点も多い.発症部位がprivate partsであり,尖圭コンジローマに似た臨床像から誤診されたり,自覚症状がないことから見過ごされたりしている症例が多い可能性がある.本邦の皮膚科医においては,認知度は高くはないが,特徴的な臨床像と,特異な病理所見を呈する点から,国際的に認められている疾患であり,われわれは知っておくべき疾患であると思われる.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.