症例
左肩甲骨部に生じた心臓カテーテル治療後の放射線皮膚潰瘍の1例
齋藤 恭子
1
,
片山 智恵子
,
三井 純雪
,
徳永 千春
1大和市立病院 皮膚科
キーワード:
下肢潰瘍
,
狭心症
,
バルーン冠動脈形成術
,
肩甲骨
,
再手術
,
心臓カテーテル法
,
鑑別診断
,
デブリードマン
,
脂肪組織炎-エリテマトーデス
,
皮膚移植
,
皮膚炎-接触性
,
放射線潰瘍
Keyword:
Angina Pectoris
,
Dermatitis, Contact
,
Debridement
,
Diagnosis, Differential
,
Cardiac Catheterization
,
Leg Ulcer
,
Reoperation
,
Scapula
,
Angioplasty, Balloon, Coronary
,
Skin Transplantation
,
Panniculitis, Lupus Erythematosus
pp.75-79
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115824
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49歳男。半年前より左肩甲骨部にそう痒を伴う皮疹が出現し、外用加療を受けるも改善せず、病変は潰瘍化して疼痛が増強した。再診時には中央に潰瘍(5×7cm大)を伴う境界明瞭な四角形の紅斑(8×12cm大)を認めた。詳細に問診したところ、初診の9ヵ月前に不安定狭心症に対して経皮的冠動脈形成術を受けていたことが判明した。臨床、経過、検査所見より心臓カテーテル治療後に生じた放射線皮膚潰瘍と診断し、2回のデブリードマンと分層植皮術により初診から6ヵ月で治癒した。自験例は肥満体型でコントロール不良の糖尿病があり、interventional radiologyに時間を要したことや潰瘍部の感染を合併したことなどによって重度の放射線障害を生じたと考えられた。難治性の紅斑や皮膚潰瘍を診察した際には、医原性疾患の可能性も考慮して放射線治療の既往を聴取することが重要と考えられた。
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