投稿論文 症例
心臓カテーテル治療後に生じた腋窩拘縮を伴う放射線皮膚壊死を胸背動脈穿通枝皮弁で治療した1例
飯塚 柚衣
1
,
安永 能周
,
三村 信英
,
福沢 正男
,
杠 俊介
,
近藤 昭二
1伊那中央病院
キーワード:
腋窩
,
壊死
,
拘縮
,
術後合併症
,
心臓カテーテル法
,
ステント
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
放射線障害
,
放射線量
,
冠血管造影
,
冠状動脈狭窄症
,
穿通枝皮弁
,
胸背動脈
Keyword:
Axilla
,
Skin Transplantation
,
Coronary Angiography
,
Stents
,
Necrosis
,
Radiation Dosage
,
Radiation Injuries
,
Postoperative Complications
,
Contracture
,
Debridement
,
Cardiac Catheterization
,
Perforator Flap
,
Coronary Stenosis
pp.926-933
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020325653
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症例は61歳女性で、検診で指摘された心電図異常の精査のため5ヵ月前に当院循環器内科で冠動脈造影検査が施行され、冠動脈の狭窄による狭心症と診断された。2回目の心臓カテーテル治療(PCI)から28日後に左腋窩後面の皮膚に紅斑が出現し、当院皮膚科に紹介された。121日後には皮膚潰瘍を形成し、155日後には中心部に皮膚壊死を生じたため、160日後に形成外科へ紹介された。PCIによって生じた腋窩の皮膚性拘縮を伴う放射線皮膚壊死と診断し、早期に壊死組織のデブリードマンと胸背動脈穿通枝皮弁による再建を計画した。術後の病理組織学的所見では、中心部の皮膚は潰瘍化し、潰瘍周囲の残存する表皮に基底層の空胞変性や顆粒層の消失が認められた。術後11日にはうっ血は軽快し皮弁全域が生着、抜糸によって生じた創離開部を徐々に縫縮し、術後28日で退院した。現在術後6ヵ月を経過したが、左肩関節の可動域は改善し、上肢の挙上制限はほぼ消失している。
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