特集 薬疹・薬物障害
多発性硬化症に対する遺伝子組換え型インターフェロン-β-1b製剤皮下注射部位に生じた皮膚潰瘍の1例
田中 了
1
,
大川 人豪
,
木畑 正彦
,
山本 剛伸
,
林 宏明
,
藤本 亘
,
伊藤 芳幸
1川崎医科大学 皮膚科
キーワード:
Silver Sulfadiazine
,
遺伝子組換え
,
下肢潰瘍
,
外科用メッシュ
,
治療的洗浄
,
デブリードマン
,
大腿
,
多剤併用療法
,
多発性硬化症
,
皮下注射
,
経皮投与
,
皮膚移植
,
Tretinoin Tocoferil
,
Interferon Beta-1b
Keyword:
Interferon beta-1b
,
Administration, Cutaneous
,
Drug Therapy, Combination
,
Debridement
,
Therapeutic Irrigation
,
Leg Ulcer
,
Injections, Subcutaneous
,
Multiple Sclerosis
,
Recombination, Genetic
,
Silver Sulfadiazine
,
Surgical Mesh
,
Thigh
,
Skin Transplantation
,
Tocoretinate
pp.45-48
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115818
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40歳代女。両側大腿内側の皮膚潰瘍を主訴とした。多発性硬化症に対して6ヵ月前より隔日で遺伝子組み換え型インターフェロン(IFN)-β-1b製剤を開始し、両側大腿にそれぞれ6ヶ所、計12ヶ所にローテーションさせて皮下注射を行っていた。しかし、遺伝子組み換え型IFN-β-1b開始2ヵ月後頃より両側大腿の皮下注射部位に疼痛や発赤が出現し、効果不十分で中止となった後も病変が増悪して表皮剥離を生じた。遺伝子組み換え型IFN-β-1b中止後6週間の時点で両大腿内側に手掌大の潰瘍、筋膜壊死を認めたため、可及的に壊死組織をデブリードマンし、連日ベッドサイドでの処置を行った後に分層メッシュ植皮術を施行した。本症例では皮下注射部位が12ヶ所のローテーションであったことが潰瘍発生に大きく影響したと考えられ、皮膚潰瘍の治療方針や手術の時期決定に苦慮したものの、術後は良好に経過した。
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