症例
全身症状を伴わない汎発性の膿疱が初期疹であった尋常性乾癬の1例
保科 大地
1
,
辻脇 真澄
,
古屋 和彦
1函館中央病院 皮膚科
キーワード:
Ciclosporin
,
Etretinate
,
Prednisolone
,
再発
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
乾癬-膿疱性
Keyword:
Administration, Oral
,
Drug Therapy, Combination
,
Etretinate
,
Prednisolone
,
Recurrence
,
Cyclosporine
pp.81-84
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115825
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60歳男。3日前から掌蹠と体幹に膿疱を混じる紅斑が出現した。発熱はなく全身状態は良好であり、急性汎発性膿疱性紅斑症などの疑いでプレドニゾロン(PSL)を内服し、皮疹は軽快した。しかし、PSL漸減中に汎発性膿疱性乾癬(GPP)様の皮疹として再燃・増悪したため、エトレチナートを追加したところ、皮疹は軽快し、PSL中止後もGPP様皮疹の再燃は認めなかったが、数ヵ月後に下肢や臀部に境界明瞭な厚い鱗屑を付着した紅色局面が出現した。尋常性乾癬の皮疹と診断してエトレチナートからシクロスポリンへ変更し、皮疹は軽快傾向にある。自験例は汎発性の膿疱、GPP様皮疹、尋常性乾癬の順で皮疹が経過したが、全経過を通じて全身状態は良好という特徴があった。全身症状を伴わず、汎発性の膿疱で発症する尋常性乾癬症例があることを認識して診療にあたる必要があると考えられた。
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