症例
両下腿に生じたセメント熱傷の1例
遠藤 千尋
1
,
常深 祐一郎
,
仲 優
,
川島 眞
1東京女子医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Silver Sulfadiazine
,
下肢外傷
,
熱傷
,
デブリードマン
,
経皮投与
,
皮膚移植
,
セメント
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Burns
,
Debridement
,
Leg Injuries
,
Silver Sulfadiazine
,
Skin Transplantation
pp.397-400
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208981
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64歳男。生コンクリート充填作業中に両側の長靴内へ生コンクリートが多量に流入し、約4時間後に長靴を脱いだところ、両下腿に全周性に紅斑、水疱が生じ、流水で洗浄した。その約12時間後には表面が黒色壊死となり、近医にて外用薬を処方されたが、植皮術が必要と考えられ、第13病日に当科を紹介受診した。初診時、両足背から両下腿全周にかけて黄色や褐色、黒色の壊死組織が表面に固着し、境界明瞭は皮膚潰瘍がみられた。臨床経過と臨床像よりセメント熱傷と診断し、入院のうえ連日デブリードマンを施行し、スルファジアジン銀を外用した。治療により良好な肉芽形成が得られたため、第78病日に全身麻酔下でデブリードマンおよび分層植皮術を行った。術後は早期より下肢関節拘縮予防のためリハビリテーションを行い、受傷後第133病日に完全上皮化し退院となった。
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