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頻回の自己注射によって生じた広範な石灰沈着症の1例
谷 冴香
1
,
国本 佳代
,
三木田 直哉
,
古川 福実
,
山本 有紀
1和歌山県立医科大学附属病院 皮膚科
キーワード:
Diphenhydramine
,
人工皮膚
,
石灰沈着症
,
喘息
,
デブリードマン
,
皮下注射
,
自己投与
,
経皮投与
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-代謝性
,
上腕
,
Prostaglandin E1-Alpha-Cyclodextrin
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Arm
,
Calcinosis
,
Asthma
,
Debridement
,
Diphenhydramine
,
Injections, Subcutaneous
,
Self Administration
,
Skin Diseases, Metabolic
,
Skin Transplantation
,
Skin, Artificial
,
Prostaglandin E1-alpha-cyclodextrin
pp.306-307
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016168082
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82歳男。幼少期、喘息に対して両上腕にジフェンヒドラミン塩酸塩を数年にわたり自己注射していた。今回、右上腕の発赤・浸出液、両上腕皮下結節を主訴に、近医にて石灰化沈着症を疑われ、精査加療目的に当科紹介となった。初診時、両上腕に板状硬、可動性不良の皮下腫瘤を触れ、右上腕は発赤、瘻孔を伴っており、臨床経過・X線所見より頻回の自己注射によって生じた広範な石灰沈着症と診断した。右上腕の石灰沈着症に対してデブリードマンを施行したが、板状の病巣が筋層に及んでいたため、一部筋肉を含めて切除した。また、瘻孔部位は嚢胞を形成していたため、人工真皮を貼付し、肉芽が増生したところで分層植皮術を行った。後日、左上腕にも同様の手術を行い、アルプロスタジル、アルファデクス軟膏処置にて両上腕とも上皮化が得られた。
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