特集 細菌感染症
Shewanella algaeによる敗血症を呈した下肢蜂窩織炎の1例
要石 就斗
1
,
中溝 聡
,
遠藤 雄一郎
,
藤澤 章弘
,
椛島 健治
1京都大学 大学院医学研究科皮膚科学
キーワード:
Ceftriaxone
,
経口投与
,
経皮投与
,
微生物薬物感受性試験
,
皮膚疾患-下肢
,
蜂巣炎
,
グラム陰性細菌感染症
,
敗血症
,
細菌培養
,
Levofloxacin
,
静脈内注射
,
血液培養
,
Sucrose-Povidone-Iodine
,
Shewanella algae
Keyword:
Administration, Oral
,
Administration, Cutaneous
,
Blood Culture
,
Ceftriaxone
,
Cellulitis
,
Injections, Intravenous
,
Microbial Sensitivity Tests
,
Leg Dermatoses
,
Gram-Negative Bacterial Infections
,
Sepsis
,
Levofloxacin
pp.1796-1797
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081140
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- 文献概要
70歳代男。左下腿の腫脹、熱感を主訴とした。患者は水産物を扱う料理店店主で、魚を井戸水で洗う機会が多かった。打撲により左下腿に1cm大の潰瘍が生じた数日後に主訴が出現し、症状が増悪した。初診時には左下腿全体に熱感、腫脹と圧痛、境界不明な紅斑、左下腿伸側に潰瘍と緊満性の水疱を認め、臨床所見より左下腿の蜂窩織炎と診断して抗菌薬投与を開始した結果、臨床所見と検査所見は改善した。また、血液培養でShewanella algaeが検出され、全身性炎症反応症候群の診断項目を満たしたことからS.algae感染による敗血症と診断し、薬剤感受性検査の結果をもとに計4週間の抗菌薬投与を行い、略治した。自験例は肝胆道系疾患や悪性腫瘍の基礎疾患はなく、うっ滞性皮膚炎と外傷による潰瘍を生じていたことから、潰瘍を侵入門戸とした経皮的感染経路が最も疑われた。
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