特集 細菌感染症
Helicobacter cinaediによる多発性蜂窩織炎の6例
根岸 麻有子
1
,
遠藤 秀治
1千葉市立青葉病院 皮膚科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Minocycline
,
経口投与
,
蜂巣炎
,
細菌培養
,
Helicobacter cinaedi
,
血液培養
Keyword:
Administration, Oral
,
Blood Culture
,
Cellulitis
,
Minocycline
,
Helicobacter Infections
pp.1791-1794
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081139
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Helicobacter cinaediによる蜂窩織炎6例の臨床的特徴について報告した。6例はいずれも多発性であったが、5例がCRP 5mg/dl以下(陰性2例を含む)で、発熱を認めた症例は4例であり、血液培養が陽性となるまでの日数は中央値4日であった。また、3例はセフカペンピボキシル塩酸塩、セファクロルが無効であり、1例に再発を認めた。本症の特徴として多発性の病変を呈しやすいこと、炎症反応が必ずしも高値とはならないこと、再発が多いこと、ならびにH. cinaediの培養は発育が遅いことが挙げられ、多発例の感染経路としてH.cinaediのbacterial translocationによる菌血症が考えられた。
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