症例
クリンダマイシンリン酸エステルによる接触皮膚炎の1例
大原 香子
1
1大原医院
キーワード:
Betamethasone Valerate
,
Clindamycin
,
酒さ
,
多剤併用療法
,
皮膚炎-接触性
,
皮膚疾患-顔面
,
Olopatadine
Keyword:
Olopatadine Hydrochloride
,
Betamethasone Valerate
,
Clindamycin
,
Dermatitis, Contact
,
Drug Therapy, Combination
,
Facial Dermatoses
,
Rosacea
pp.697-701
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318346
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55歳女。顔の紅斑と痒みを主訴とした。クリンダマイシン(CLDM)リン酸エステル含有ゲル(ゲル)の外用を開始したが、53日後に顔面全体に浸潤性紅斑が出現し、徐々に拡大した。CLDMリン酸エステル含有ゲルの接触皮膚炎を疑い、外用を中止した。オロパタジン塩酸塩の内服とベタメタゾン吉草エステル軟膏の外用を開始し、4日後に軽快した。ゲルの成分によるパッチテストと、CLDMリン酸エステルと同じリンコマイシン(LCM)系抗菌薬であるCLDM塩酸塩とLCM塩酸塩水和物のパッチテストを行った。その結果、ゲルとCLDMリン酸エステル、LCM塩酸塩水和物が陽性となった。以上より、CLDMリン酸エステルによる接触性皮膚炎を起こしたと診断し、LCMに対してもアレルギーを持つため、LCM系抗菌薬は内服禁忌と指導した。
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