症例
抗てんかん薬による薬物代謝酵素(CYP3A4)の誘導のためステロイド抵抗性を示した難治性水疱性類天疱瘡の1例
永島 和貴
1
,
山田 朋子
,
牧 伸樹
,
中村 考伸
,
中村 哲史
,
梅本 尚可
,
出光 俊郎
1自治医科大学附属さいたま医療センター 皮膚科
キーワード:
Dapsone
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
抗精神病剤
,
血漿交換
,
精神病-物質誘発
,
多剤併用療法
,
てんかん
,
薬物相互作用
,
薬物抵抗性
,
類天疱瘡-水疱性
,
パルス療法(薬物療法)
,
Mizoribine
,
Cytochrome P-450 CYP3A4
,
幻聴
,
二重濾過血漿交換
,
Phenytoin-Phenobarbital
Keyword:
Dapsone
,
Drug Interactions
,
Drug Therapy, Combination
,
Drug Resistance
,
Epilepsy
,
Hallucinations
,
Methylprednisolone
,
Pemphigoid, Bullous
,
Prednisolone
,
Psychoses, Substance-Induced
,
Plasma Exchange
,
Antipsychotic Agents
,
Pulse Therapy, Drug
,
Bredinin
pp.703-707
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318347
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62歳男。約1ヵ月前より体幹・四肢に隆起性の浮腫性ないし滲出性の紅斑が多発した。神経線維腫症I型とてんかんのためフェニトインとフェノバルビタールの配合錠、バルプロ酸ナトリウムを内服中であった。病理所見で表皮下水疱を認め、真皮浅層に好酸球とリンパ球が浸潤していた。蛍光抗体直接法でIgG、C3が表皮基底膜部に線状に沈着し、間接法では基底膜部にIgGが沈着し、256倍希釈まで陽性であった。以上より、水疱性類天疱瘡と診断した。プレドニゾロン(PSL)内服に加え免疫抑制剤およびジアフェニルスルホンの併用でも皮疹が悪化し、二重膜濾過血漿交換療法により改善したが、2ヵ月後に皮疹が再燃した。PSL 100mg/日内服に全血血漿交換療法を併用したが新生水疱が続いた。内服中のフェニトインとフェノバルビタールの配合錠を中止し、バルプロ酸ナトリウムの増量単独治療に変更したところ、数日後に皮疹が著明に改善した。
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