特集 血管炎・血行障害
手指の壊疽を呈したSteal症候群の1例
清水 愛
1
,
上野 孝
,
鶴田 恭子
,
大森 裕也
,
新井 桃子
,
久保田 智樹
,
川名 誠司
1日本医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
サーモグラフィー
,
壊疽
,
血管造影
,
手指
,
皮膚疾患-手部
,
ブラッドアクセス
,
スチール症候群
Keyword:
Angiography
,
Fingers
,
Gangrene
,
Hand Dermatoses
,
Thermography
pp.546-549
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280955
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症例は72歳男性で、左環指の指尖・末節背側、左中指の指尖・PIP関節伸側に黒褐色の壊死組織を認めた。左橈骨動脈は触知不能であった。2011年7月に左肘部内シャントを糖尿病性腎不全に対し左肘部内シャントを造設し、維持血液透析を行い、2012年12月にシャント側である左中指・環指に冷感、疼痛、壊死をきたした。サーモグラフィで、左中指・環指末端に他の指と比べ3~5℃の局所的な温度低下を認めた。血管造影でシャント部を圧迫すると血流が改善し、Steal症候群と診断した。受診直後、外科的バンディング(シャント絞扼術)を施行し、シャント血流量を減少させたが改善に乏しく、患指の冷感は消失し、潰瘍・壊死組織はシャント閉塞術3ヵ月後に治癒した。
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