特集 角化症・炎症性角化症
Transient Reactive Papulotranslucent Acrokeratodermaの1例
原田 優
1
,
鎌田 千恵
,
坂井 浩志
,
調 裕次
,
園山 悦子
1東大阪市立総合病院 皮膚科
キーワード:
サーモグラフィー
,
掌蹠角皮症
,
鑑別診断
,
蕁麻疹
,
皮膚疾患-手部
,
丘疹
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hand Dermatoses
,
Keratoderma, Palmoplantar
,
Thermography
,
Urticaria
pp.1075-1079
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305024
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Transient reactive papulotranslucent acrokeratoderma(TRPA)は、両手を水に浸すと数分で浸水部に疼痛を伴う白色浸軟や丘疹が出現し、浸水中止後数十分で元に戻るという特徴的な臨床病態を示す疾患である。診断方法は、両手をバケツの水に浸し症状を誘発させる「手部浸水試験(Hand-in-the-bucket-sign)」によってなされる。本邦での報告例は少ないが、認知度が低い疾患であるために、皮膚科を受診しても診断されていない症例が存在する可能性がある。今回、思春期女性に発症し、Hand-in-the-bucket-signが認められたTRPAの典型例を経験したので、文献的考察を加えて報告した。症例は14歳で、3年前から手を水に浸すと手掌・指腹が浸軟しやすいことを自覚していた。近医で水性蕁麻疹などを疑われ加療されたが改善せず、当科受診した。TRPAを疑い、手部浸水試験を行ったところ陽性を示し、皮膚生検の所見もTRPAに合致した。
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