特集 血管炎・血行障害
女性の手指に発症し、交感神経切除術が奏効したBuerger病の1例
土井 裕子
1
,
浅越 健治
,
越智 吉樹
1国立病院機構岡山医療センター 皮膚科
キーワード:
血管造影
,
血栓血管炎-閉塞性
,
交感神経切除術
,
手指
,
内視鏡法
,
皮膚疾患-手部
Keyword:
Angiography
,
Endoscopy
,
Fingers
,
Hand Dermatoses
,
Sympathectomy
,
Thromboangiitis Obliterans
pp.513-516
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280948
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症例は29歳女性で、毎年冬季になると手先先端に冷感があり、疼痛を伴った。右中指尖部が1ヵ月前から痺れ、同時に爪甲に色素斑が出現し、3日前より疼痛が持続し、左中指側面にも疼痛範囲が拡大した。右中指爪甲先端に縦線状の出血斑、右中指、左示指・中指腹に紫斑を認め、Raynaud現象はなく、指尖部のチアノーゼはなかった。血管造影で特徴的な前腕末梢動脈の先細り閉塞と側副路が確認された。臨床所見、血管造影検査結果から、Buerger病と診断し、血管拡張薬プロスタグランジンE1を投与したが疼痛は改善せず、右中指尖部に潰瘍を形成した。内視鏡的胸部交感神経切除術を施行し、症状は著明に軽快した。術後は右手で1.2℃の体温上昇を認め、疼痛は消失した。右中指の皮膚潰瘍も上皮化した。
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