臨床研究
過去7年間における山口大学医学部附属病院皮膚科で経験した頭部血管肉腫10例の臨床的検討
倉田 裕介
1
,
沖田 朋子
,
永井 伸幸
,
若松 研弥
,
中村 好貴
,
一宮 誠
,
武藤 正彦
1山口大学 大学院医学系研究科皮膚科学分野
キーワード:
Interleukin-2
,
血管肉腫
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍再発
,
生存率
,
頭頸部腫瘍
,
皮膚移植
,
皮膚腫瘍
,
大学病院
,
放射線療法
,
Paclitaxel
,
Docetaxel
,
病院皮膚科
,
Kaplan-Meier法
,
MAID Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Hemangiosarcoma
,
Hospitals, University
,
Interleukin-2
,
Head and Neck Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Radiotherapy
,
Skin Neoplasms
,
Survival Rate
,
Skin Transplantation
,
Paclitaxel
,
Kaplan-Meier Estimate
,
MAID Protocol
,
Docetaxel
pp.553-557
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280956
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2005年~2012年迄の7年間に病理組織学的に血管肉腫と診断した10例(男性7例、女性3例、67~89歳、平均76.3歳)を対象に、臨床的検討を行った。10例中6例は70歳代の発症であった。男女比は2.3:1で男性に多く、発症部位は全例頭部で、このうち外傷の既往が確認できたのは3例(30%)で、外傷から数ヵ月以内に血管肉腫を発症した。自覚症状から受診までは平均4.2ヵ月であった。血管肉腫は紫紅色斑から始まり、進行とともに結節、潰瘍、多発性病変を形成していた。手術療法は9例、リコンビナントインターロイキン2(rIL-2)療法は8例、放射線療法は6例に施行した。再発までの平均期間は36.0ヵ月、平均生存期間は45.5ヵ月であった。また、病巣面積25cm2以上の症例は6例、そのうち3例は局所再発を認めた。再発までの平均期間は8.7ヵ月、平均生存期間は35.5ヵ月であった。また、局所再発した5例全例が植皮部辺縁からの再発であった。Kaplan-Meier法による血管肉腫10例の生存率は、2年生存率80.0%、5年生存率20.0%であった。また、生存期間中、中央値は52.0ヵ月であった。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.