特集 膠原病
骨削りと植皮が奏効した全身性強皮症に伴う手指壊疽の1例
金城 千尋
1
,
赤坂 英二郎
,
北村 英夫
,
原田 研
1青森県立中央病院 皮膚科
キーワード:
Raynaud病
,
壊疽
,
強皮症-全身性
,
骨切り術
,
手指
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-手部
Keyword:
Fingers
,
Gangrene
,
Hand Dermatoses
,
Osteotomy
,
Raynaud Disease
,
Scleroderma, Systemic
,
Skin Transplantation
pp.174-175
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016168057
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38歳女。1994年6月より全身性強皮症(SSc)の加療中であったが、2001年より両手指および両踵の潰瘍が出現し、ボセンタン内服などを受けるも改善せず、潰瘍が悪化したため、2009年10月に当科入院となった。入院時、右示指、中指、左中指に黄色壊死組織を付着する潰瘍を認め、両踵にも小潰瘍がみられた。SScに伴う手指壊疽と診断し、アルガトロバン、プロスタグランジンE1(PGE1)製剤の経静脈投与を開始した。局所的にコタツによる温熱療法、頻回のデブリードマン、リュエルや骨やすりを用いた骨削り、軟膏処置を行った。治療により両踵の潰瘍は急速に上皮化し、手指の潰瘍には良好な肉芽形成が得られた。保存的に外用治療を継続したが、右示指と左中指の潰瘍が残存し疼痛を伴うため、翌年6月に左大腿部より吸引水疱蓋移植を行ったところ、水疱蓋は生着し、疼痛も消失し、7月に退院した。
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