臨床
外傷性股関節脱臼症例の短期臨床成績
安喰 健祐
1
,
宮 秀俊
,
南埜 正五郎
,
大島 隆司
,
圓尾 明弘
,
村津 裕嗣
1製鉄記念広畑病院 整形外科
キーワード:
交通事故
,
股関節脱臼
,
内固定法
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
転倒・転落
,
スキー
,
治療成績
Keyword:
Accidental Falls
,
Accidents, Traffic
,
Athletic Injuries
,
Fracture Fixation, Internal
,
Hip Dislocation
,
Skiing
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
pp.1545-1550
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017077518
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2007年5月~2015年8月の間に外傷性股関節脱臼にて加療した21症例(男性18例、女性3例、受傷時年齢9~79歳)を対象に短期臨床成績について検討した。受傷機転は交通事故が15例、スキー中の転倒が3例、重量物の落下、登山中の滑落、高所からの転落が各1例であった。脱臼方向は前方が5例、後方が16例で、脱臼の分類(T-E分類)は前方脱臼ではType IIAが4例、Type ICが1例、後方脱臼ではType Iが5例、Type IIIが5例、Type Vが6例で、Type IIとIVは認めなかった。臨床成績をT-Eの評価基準で比較した結果、前方脱臼は全例、非観血的徒手整復が可能で、Good以上の成績であった。一方、後方脱臼はType Vで4例に観血的脱臼整復術が必要で、Type IIIとVでは全例に骨接合術を施行したが、Good以上の成績は7例と不良であった。以上より、受傷時のT-E分類の脱臼型によって臨床成績が異なっており、初診時の脱臼病態の把握が病状説明や術後観察においても重要になると考えられた。
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