論究
外傷性頸部症候群による長期休業に腰痛の併発が及ぼす影響
新開 由香理
1
,
加藤 龍一
,
岡 敬之
,
松平 浩
,
岡崎 裕司
,
田中 栄
1JA共済総合研究所 医療研究研修部
キーワード:
質問紙法
,
関節鏡法
,
危険因子
,
交通事故
,
疼痛測定
,
むち打ち損傷
,
腰痛
,
ロジスティックモデル
,
握力
,
インターネット
,
外傷重症度指標
,
治療成績
,
年齢分布
,
病気休業
,
視覚アナログ尺度
,
手根管解離術
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Arthroscopy
,
Pain Measurement
,
Surveys and Questionnaires
,
Risk Factors
,
Whiplash Injuries
,
Trauma Severity Indices
,
Low Back Pain
,
Logistic Models
,
Age Distribution
,
Treatment Outcome
,
Hand Strength
,
Sick Leave
,
Internet
,
Visual Analog Scale
pp.1121-1130
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017001004
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自動車追突事故後に発生した外傷性頸部症候群において、休業が長期化する危険因子を検討し、腰痛が併発した影響について解析した。2012年7月にインターネット調査会社に登録している20歳以上のモニターを対象に調査を行った。2011年の1年間に被後方追突事故を受けた4164名を抽出し、外傷性頸部症候群および腰痛の訴えがあった1613名(男1128名、女485名:対象群)を対象に調査票を配信し、974名から回答を得た。その結果、対象群の年齢階層別のピークは40歳代であった。部位別では、外傷性頸部症候群単独が54.8%、外傷性頸部症候群および腰痛(併発例)が37.9%、腰痛単独が7.3%であった。休業期間については休業なしが34.6%、2週間以上の休業者が16.2%で、外傷性頸部症候群と腰痛の併発例に休業が長くなる傾向が認められた。車両損壊度については、対象群では中破以上が56.7%であった。また、休業2週間以上に最も強く関連した因子は車両損壊が中破以上、次いで多重併用療法を行ったことであった。外傷性頸部症候群に腰痛が併発した例は、外傷性頸部症候群単独例より2週間以上休業するリスクが2倍以上高くなることが示された。
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