経験と考察
治癒した腰痛例の心理・社会的要因 日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)とvisual analogue scale値の検討
田中 浩平
1
,
高橋 弦
1山王整形クリニック
キーワード:
質問紙法
,
疼痛測定
,
歩行
,
腰椎
,
腰痛
,
治療成績
,
マニュアル
,
視覚アナログ尺度
,
症状評価
,
患者報告アウトカムの判定
,
保存的療法
Keyword:
Patient Reported Outcome Measures
,
Conservative Treatment
,
Gait
,
Manuals as Topic
,
Lumbar Vertebrae
,
Pain Measurement
,
Surveys and Questionnaires
,
Treatment Outcome
,
Low Back Pain
,
Symptom Assessment
,
Visual Analog Scale
pp.1151-1155
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2018005473
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2009年8月~2015年6月に腰痛または腰痛・下肢痛を主訴にした外来受診した急性腰痛、ならびに慢性腰痛を呈した症例を対象に、日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)の五つのドメイン(疼痛、腰椎、歩行、社会、心理)の点数と、Visual Analogue Scale(VAS)の初診値、終診値を調査し、慢性化しない腰痛例の特性について検討した。初診時から「心理」の値が健常者と同程度の症例があること、初診時に心理的障害を示す一方、腰痛が治癒する症例があることが判明した。軽快治癒した症例でもJOABPEQの変化判定で「心理」、「社会」は変化なしや減少を示す症例が存在し、判定基準の修正が求められた。慢性化に関与する「心理」の評価にはさらに検討が必要と思われた。
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