論究
中東地域におけるswaddling(巻おむつ)の風習と発育性股関節形成不全の高発生頻度
田中 優砂光
1
1愛野記念病院 整形外科
キーワード:
寛骨臼
,
股関節脱臼-先天性
,
発生率
,
古代医学史
,
中東
,
乳児用おむつ
,
臼蓋形成不全
,
風俗
Keyword:
Acetabulum
,
Hip Dislocation, Congenital
,
Middle East
,
Incidence
,
Diapers, Infant
,
History, Ancient
pp.1113-1120
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016368209
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発育性股関節形成不全(DDH)は、先天性股関節脱臼(CDH)および臼蓋形成不全(AD)と呼ばれていた病態を総称した呼称である。本症の発生には、遺伝的因子や子宮内因子のほかに、出生後の環境因子が関与すると考えられる。巻きおむつで乳児の下肢伸展位を強制する風習はswaddlingと呼ばれ、ラップランド地方、アメリカ高地インディアン、モンゴル、日本の東北地方でも用いられ、これらの地域ではDDHの発症頻度が高かった。中東諸国では今なおswaddlingが広く行われており、国家レベルでの予防施策が必要と考えられた。
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