症例
中指末節骨転移をきたした肺癌の1例
新井 哲也
1
,
森 裕晃
,
中島 浩敦
,
高津 哲郎
1岐阜県立多治見病院 整形外科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
X線診断
,
関節離断術
,
胸部X線診断
,
骨腫瘍
,
MRI
,
肺腫瘍
,
扁平上皮癌
,
致死的転帰
,
指骨(手)
Keyword:
C-Reactive Protein
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Bone Neoplasms
,
Disarticulation
,
Lung Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Radiography, Thoracic
,
Fatal Outcome
,
Finger Phalanges
pp.495-498
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016225658
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70歳男。2ヵ月前から右中指先端に疼痛と腫脹が出現し、前医で指尖部の感染として2度の切開を受けたが改善しなかった。単純X線で中指末節骨の掌側の骨破壊像と軟部陰影の腫脹を認め、単純MRIで末節骨の骨内から指尖部掌側に向けてT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す内部が比較的均一な腫瘤を認めた。胸部単純X線で右肺上葉の無気肺を認め、呼吸器内科で肺癌による気道閉塞とそれによる無気肺と診断された。さらに追加検査で肺内転移と右副腎転移を認めた。肺癌の中指末節骨転移を疑い、右中指に対する手術を行った。前医での切開創から組織を採取して迅速病理検査に提出し、扁平上皮癌(SCC)との結果を得たため、PIP関節での離断を行った。術後、症状は消失した。術後2日に経気管支肺生検が行われ、結果はSCCであった。その後、急速に全身状態が悪化し、術後33日に死亡した。
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