発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002136033
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78歳女.右中指基節部の腫瘤が,徐々に増大し右中指の関節可動域制限を生じるようになったため受診した.生検術を施行した.肉眼的には内容物は白色で光沢のある充実性の組織であり,一部に石灰化を伴っていた.病理組織所見では軟骨基質の中に異形性の強い大小不同の細胞が密に増殖していた.腫瘍細胞の大部分は軟骨細胞様であり,腫大した核をもつ巨大な細胞や2核細胞も散見した.核分裂像は認めなかった.腫瘍は骨皮質へ浸潤し,破壊像を示していた.組織学的悪性度はgrade IIであった.軟骨肉腫と診断し,右中指の手根中手関節部での離断術を行った.術後4ヵ月にて局所再発及び遠隔転移は認めず,経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2002