症例
びまん性特発性骨増殖症(DISH)に伴った腰椎伸展損傷で椎体の伸延が著明だった1例
水谷 康彦
1
,
山崎 郁哉
,
中村 順之
,
尾崎 猛智
,
瀧澤 勉
,
秋月 章
1長野県厚生農業協同組合連合会長野松代総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨粗鬆症
,
MRI
,
脊椎損傷
,
X線CT
,
腰椎
,
Teriparatide
,
骨化過剰症-広汎性特発性
,
体幹装具
,
骨癒合(骨折治癒以外)
,
椎体
Keyword:
Hyperostosis, Diffuse Idiopathic Skeletal
,
Lumbar Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Spinal Injuries
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Teriparatide
pp.491-494
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016225657
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84歳女。腰痛と体動困難を主訴とした。単純X線で第4胸椎椎体から第1腰椎(L1)椎体にかけて骨橋形成を認めた。また、L1椎体に著明な伸延を認め、第2腰椎椎体は圧潰し楔状化していた。単純CTで伸延しているL1椎体の前壁は中央部が広範囲で欠損しており、腰椎MRIのshort T1 inversion recovery像でL1椎体は高信号を示した。腰椎単純X線では最大伸展位で最大10cmの椎体前面の開大がみられた。以上より、びまん性特発性骨増殖症に伴うL1伸展伸延損傷と診断した。手術はクッションや輸液パックを腹部に挿入し、可及的に後彎位をとるようにして、第11胸椎から第3腰椎の後方固定術を施行した。術中にインプラント間で圧迫器をかけ、可及的に整復を行ったが、椎体前方を約2mm短縮できただけで、後方はほぼ不変であった。術後に腰痛が改善し、術後5ヵ月で骨癒合し、術後8ヵ月で杖なし歩行が可能となった。
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