症例
孤立性蝶形骨洞炎とFisher症候群の合併小児例
水間 加奈子
1
,
亀井 淳
,
三浦 邦彦
,
鈴木 悠
,
赤坂 真奈美
,
荒谷 菜海
,
浅見 麻耶
,
谷藤 幸子
,
千田 勝一
1岩手県立宮古病院 小児科
キーワード:
画像強調
,
MRI
,
鑑別診断
,
頭痛
,
蝶形骨洞炎
,
めまい感
,
Fisher症候群
,
GQ1b Ganglioside
,
抗ガングリオシド抗体
Keyword:
Dizziness
,
Diagnosis, Differential
,
Headache
,
Image Enhancement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Sphenoid Sinusitis
,
Miller Fisher Syndrome
,
GQ1b Ganglioside
pp.205-209
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016168055
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11歳女児。頭痛、嘔気、ふらつき、複視を初発症状とし、初診時の頭部MRIで孤立性蝶形骨洞炎(以下ISS)の所見を認め、経過中に腱反射消失は認められなかったものの、血液検査でFSに特徴的な抗GQ1b抗体を認めたことから不全型Fisher症候群(FS)と診断した症例を経験した。頭痛の原因がISSかFSかは区別できなかったが、ふらつきによる歩行障害はISSではみられない症状であった。また、抗GQ1b抗体はFSの急性期血清で陽性となるため、補助診断マーカーとして有用であった。これらのことから、ふらつきを伴う頭痛はFSの合併を疑い、抗GQ1b抗体の検査を積極的に行う必要があると考えられたため、本例の臨床経過を報告した。
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