発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003151745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
55歳男.鼻汁,咽頭痛など感冒様症状を認めていた.昼前より複視,ふらつきを認めるようになり,夕方には立って歩くことができず,精査治療目的に入院した.入院時,第III,IV,VI脳神経麻痺を認めたが,その他の脳神経及び四肢体幹に明らかな異常は認めなかった.症状は急速に進行し,上肢,体幹の筋力低下,感覚障害を認めるようになり,舌根沈下もきたした.意識レベルは更に低下し,徐々に応答困難となった.呼吸筋麻痺が生じ,気管内挿管,人工呼吸器管理となった.その時点で咳嗽反射はなく,昏睡状態であった.パルス療法を含むステロイド治療を開始し,単純血漿交換を繰り返した.第41病日,上眼瞼の僅かな収縮運動を認め,少しずつ眼球運動が可能となり,首と顎も動くようになり,意識障害の改善がみられた.抗ガングリオシド抗体は正常化した.僅かに自発呼吸が出現したが,人工呼吸器からはまだ離脱できない
©Nankodo Co., Ltd., 2003