臨床報告
眼窩骨に生じた海綿状血管腫の1例
三原 理恵子
1
,
臼井 嘉彦
,
根本 怜
,
後藤 浩
1東京医科大学 臨床医学系眼科学分野
キーワード:
眼窩腫瘍
,
眼科外科
,
血管腫-海綿状
,
MRI
,
X線CT
Keyword:
Hemangioma, Cavernous
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Orbital Neoplasms
,
Ophthalmologic Surgical Procedures
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.443-447
発行日 2017年4月5日
Published Date 2017/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2017221751
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77歳男。糖尿病黄斑浮腫の加療中に右眼の眼球突出が指摘された。MRIでは右眼窩の上耳側に類円形の腫瘤を認め、T1強調像で低信号・T2強調像で高信号を呈し、内部はモザイク状の低信号を示した。ガドリニウムによる造影では腫瘤内部が網目状に造影され、X線CTでは腫瘤の内部に前頭骨に連なる珊瑚状の骨化を思わせる所見を認めた。石灰化を伴った上皮性涙腺腫瘍や血管由来の腫瘍などを疑い、全身麻酔下でKronlein法に準じ経眼窩縁アプローチにより腫瘤の摘出を試みたが、腫瘤からの出血が多く亜全摘となった。病理組織学的検索の結果、眼窩骨から生じた海綿状血管腫と診断した。術後眼球突出は改善し、1年経過現在、残存腫瘤の増大は認めない。
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