発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016152996
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62歳男。左胸痛を主訴に前医を受診し、胸部CTにて縦隔腫瘍を指摘され、精査加療目的に当院紹介となった。胸部CTで肺動脈本幹左側に約2cmの境界明瞭な腫瘍を認め、腫瘍は肺動脈を圧排していた。胸部MRIで腫瘍はT1強調像にて低信号、T2強調像にて辺縁やや低信号、内部高信号、T2強調脂肪抑制像にて著明な高信号を呈した。以上より、脂肪腫や血管腫を考えたが、悪性腫瘍も否定できず、開胸手術を行った。術中所見で腫瘍は心嚢内に存在することが判明したため、心嚢切開下に肺動脈近傍に存在する腫瘍を切除した。病理組織学的に心外膜原発の海綿状血管腫と診断され、術後2年経過した現在、再発はみられず、良好に経過している。
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