特集 右心不全を考える
診る 右心不全の診断・重症度判定はどのように行うか
猪又 孝元
1
1北里大学北里研究所病院 循環器内科
キーワード:
一回拍出量
,
右心室機能
,
頸静脈
,
心エコー図
,
心筋症-拡張型
,
心不全
,
中心静脈圧
,
肺動脈圧
,
Swan-Ganzカテーテル法
,
重症度指標
,
心房圧
,
圧較差
Keyword:
Catheterization, Swan-Ganz
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Central Venous Pressure
,
Echocardiography
,
Jugular Veins
,
Heart Failure
,
Stroke Volume
,
Severity of Illness Index
,
Ventricular Function, Right
,
Atrial Pressure
pp.4-9
発行日 2018年1月9日
Published Date 2018/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018088780
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Fontan循環に学び、心不全の救命がままならなかった時代、血行動態の管理において右心はマイナーな存在であった。しかし今や、右心が左心不全の予後を決める最大の鍵となっている。これまで感覚のなかでしか右心をみられなかった臨床現場は、単なる言葉遊びでなく、本気で右心のことを知り、治したくなった。しかしその段になり、実は右心のことが殆どわかっていない事実にぶち当たった。例えば、右心は左心と独立して存在しているわけではなく、同一の心膜に覆われ(pericardial constraint)、両心が互いに影響し合っている(ventricular interdependence)。そこに、右心が有する低圧系心腔という特徴が、病態の評価や解釈を複雑にする。左心機能で培った病態論を辿れば済むなどという話ではない。そもそも「固有の右心機能」という基本的概念すら、十分なコンセンサスが得られていない。とはいえ、具体的な「会話」を成り立たせねばならない。臨床現場で具体的にどう評価すべきか、現状を総括してみたい。
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