発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108603
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拘束型心筋症の頻度は拡張型,肥大型心筋症に比べ低い.主たる病態は,心筋コンプライアンスの低下に伴う血液の心室流入障害である.診断基準は,(1)心室コンプライアンス低下を示す所見(心室拡張末期圧,心房圧の上昇など),(2)心室内腔拡張がなく,駆出率正常,(3)原因不明の心筋疾患,(4)顕著な心室壁肥厚やASH,心尖部肥大を示す症例を除く,である.代表的な症候は,(1)拡張機能障害に起因する心不全,(2)動悸,(3)胸痛,(4)血栓塞栓症である.類似した循環動態を呈するものに収縮性心膜炎があるため,心エコー,CT,MRI,心臓カテーテル検査などで必ず鑑別しなければならない.治療は対症療法しかなく,左室拡張機能障害,不整脈,血栓塞栓症に対する治療が基本となる.難治性心不全に陥れば心移植しかない
©Nankodo Co., Ltd., 2005