特集 重症下肢虚血治療Strategy
治す 血管内治療のエンドポイントは何が最適か?
藤原 昌彦
1
1岸和田徳洲会病院 循環器内科
キーワード:
Indigo Carmine
,
下肢
,
局所血流
,
虚血
,
バルーン血管形成術
,
血管造影
,
血管内治療
Keyword:
Angiography
,
Angioplasty, Balloon
,
Ischemia
,
Indigo Carmine
,
Regional Blood Flow
,
Lower Extremity
,
Endovascular Procedures
pp.1169-1173
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血管内治療(endovascular therapy;EVT)にはいくつかのエンドポイントが存在する。まず長期的な評価項目がある。開存率(一次・補助一次・二次開存率)、標的病変(血管)再治療回避率、難治性創傷を有す重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)であれば創傷治癒率、大切断回避生存率、そして生存率などがそれにあたる。また、それらに加えサロゲートマーカーとしての足関節上腕血圧比(ankle brachial index;ABI)、足趾上腕血圧比(toe brachial index;TBI)、皮膚灌流圧(skin perfusion pressure;SPP)、経皮酸素分圧(transcutaneousoxygen tension;TcPO2)などの非侵襲的検査指標がある。実臨床では、これらを複合的なエンドポイントとして使用することが理想的である。CLI症例の治療は、まずEVTの適応であるかを慎重に判断し、そのうえで、腸骨動脈や大腿膝窩動脈にも病変を有す多区域の病変か、単区域の病変か。傷の有無、傷の程度も十分考慮し、どこまで行うか、エンドポイントを明確にしたうえで術前からの戦略を明確に立てるべきである。本稿では特に膝下以下動脈(below the knee artery;BTK)病変のEVTのエンドポイントについて述べる。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.