投稿論文 原著
遊離筋皮弁で再建した糖尿病足潰瘍症例の検討
齋藤 典子
1
,
堀内 勝己
,
川嶋 邦裕
,
吉田 哲憲
,
西尾 卓哉
,
佐々木 雄輝
,
徐 東經
1札幌市立札幌病院 形成外科
キーワード:
下肢
,
虚血
,
血管外科
,
血管造影
,
X線CT
,
後向き研究
,
糖尿病性足部疾患
,
筋皮弁
,
血管内治療
,
遊離皮弁
,
バイパス術
Keyword:
Angiography
,
Retrospective Studies
,
Diabetic Foot
,
Ischemia
,
Vascular Surgical Procedures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Lower Extremity
,
Myocutaneous Flap
,
Free Tissue Flaps
,
Endovascular Procedures
pp.1027-1034
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373441
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遊離筋皮弁移植を行った糖尿病足潰瘍24例(男23例、女1例、平均年齢57.9歳)について検討した。初診時のHbA1c値は平均9.3%で、使用した皮弁は遊離前外側大腿皮弁15例、遊離広背筋弁9例であり、CT、血管造影による血流評価で虚血を認めた12例のうち、3例は血管内治療を、他の9例はバイパス手術を先行し、動脈では端側吻合を行った。その結果、皮弁は虚血のない12例、血管内治療後に再建した3例、バイパス術後に再建した7例の計22例(92%)で生着した。残りの2例は糖尿病性腎症による透析例で、バイパス血管を移植床にして遊離筋弁移植術を行い、いずれも一旦は生着したもののバイパス血管の閉塞により広背筋弁が壊死した。皮弁の壊死には石灰化よりも虚血が深く関与していると考えられ、術前には血流評価を行い、虚血例では筋皮弁手術に先行して血行再建を行うことが重要であることが示唆された。
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