特集 重症下肢虚血治療Strategy
治す どのような患者に外科的バイパス手術が望ましいのか?
東 信良
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1旭川医科大学 外科学講座血管外科学分野
キーワード:
下肢
,
感染
,
虚血
,
血管外科
,
日常生活活動
,
認知障害
,
血管内治療
,
血管石灰化
,
患者重症度
,
バイパス術
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Cognition Disorders
,
Ischemia
,
Infections
,
Vascular Surgical Procedures
,
Lower Extremity
,
Endovascular Procedures
,
Patient Acuity
,
Vascular Calcification
pp.1134-1141
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018050
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これまでのガイドラインからバイパス向きの患者像について振りかえってみると、TASC IIガイドラインでは、動脈病変が長区間びまん性であればバイパス向きであるとしており、AHAガイドラインでは、静脈材料が利用可能で、かつ、予測生命予後が2年以上見込める患者はバイパス向きとされてきた。しかし、実臨床でこれらの教えは役に立っているであろうか?役には立っているであろうが、それ以外の因子のほうが重要な場合も少なくない。血行再建技術が進歩し、多くの例で、バイパス・血管内治療(endovascular therapy;EVT)いずれでも血管病変に対する治療が可能になりつつある現状で、血管治療医はどちらかというと、立ち向かうべき足の状態(組織欠損の大きさや感染の程度)、歩行できるかどうかなどをみてバイパスかEVTかを判断しているということが学会等では議論されているのが実情であろうと考える。重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)患者は非常に多様性に富んだ患者集団である。その多様性に対応して、適切に血行再建方法を選択するために、どのような因子に着目して考えるべきか、述べてゆきたい。
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