特集 重症下肢虚血治療Strategy
治す 新たな血管内治療の挑戦(below-the-ankle intervention)
仲間 達也
1
1宮崎市郡医師会病院 心臓病センター
キーワード:
虚血
,
治療成績
,
足部疾患
,
血管内治療
,
バイパス術
Keyword:
Foot Diseases
,
Ischemia
,
Treatment Outcome
,
Endovascular Procedures
pp.1163-1168
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018054
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そう遠くない昔を振り返ると、膝下動脈(below-the-knee artery;BTK)病変に対する血管内治療(endovascular therapy;EVT)での介入はタブーであるとみなされていた。しかしながら、先人の挑戦と努力の蓄積により、今日では重症下肢虚血(critical limbs ischemia;CLI)に対する標準治療として確立されるに至る。そのようななか、われわれ血管内治療医の前に立ちはだかる最後の障壁が、足首以下(below-the-ankle;BTA)病変の存在である。維持透析患者を多く抱えるわが国のCLI診療において、このBTA病変の存在は常々、われわれを悩ませる。BTA病変がCLI患者のアウトカムを悪化させるという報告は多数あるが、EVTでの介入、即ちBTA interventionがそれを改善させるか否かは別問題である。そのようななかで、複雑なBTA病変に挑み続けることは、さながら暗闇の中を手探りで進むに等しく、挑戦の継続には「断固たる決意」が必要である。しかしながら思い出してほしい。これはそう遠くない昔のBTK interventionの状況に等しいではないか。われわれの挑戦から、BTA interventionの意義、適応を明らかにし、治療手技を標準化していくことは、わが国の血管内治療医の責務であると、著者は考えている。
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