特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
識る DOAC服用時のアドヒアランス向上のために
志賀 剛
1
1東京女子医科大学 循環器内科
キーワード:
抗凝固剤
,
服薬アドヒアランス
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
,
心房細動-非弁膜症性
Keyword:
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Anticoagulants
,
Medication Adherence
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.47-53
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113621
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非弁膜症性心房細動(non-valvular atrial fibrillation;NVAF)患者に対す る血栓塞栓予防としての抗凝固療法は,直接経口抗凝固薬(direct oral anticoaglant;DOAC)が市販され,抗凝固薬の選択肢が増えたことにより治療 の幅が広がった。しかし,どんなにいい薬であっても患者が服用しなければその 効果は得られない。 従来,医療者の指示に患者がどの程度従うのかというコンプライアンス概念のも と,「ノンコンプライアンス」の問題は患者側にありとされてきた。しかし,医療 現場では,コンプライアンス概念で乗り越えられない壁が存在するといわれる。 「アドヒアランス」を規定するものとして,治療内容,患者側因子,医療者側因子, 患者・医療者の相互関係があるといわれている。服薬アドヒアランスの維持には, その治療が患者にとって実行可能か,服薬を妨げる因子がないか,その解決には 何が必要かを医療者が患者とともに考え,相談したうえで治療を決定していくこ とが必要である。 実臨床では選択した薬による治療がいかに継続できるかという「アドヒアランス」 の向上が新たな課題となる。
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