特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
識る DOACのエビデンスを識る
藤野 紀之
1
,
池田 隆徳
1東邦大学 医学部内科学講座循環器内科学分野
キーワード:
抗凝固剤
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
周術期管理
,
医薬品適正使用
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
,
休薬
Keyword:
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Anticoagulants
,
Clinical Trials as Topic
,
Multicenter Studies as Topic
,
Perioperative Care
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.30-36
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113618
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2011年3月に最初のDOAC(direct oral anticoagulants)であるダビガトラ ンが発売されてから,はや5年が過ぎ,今ではワルファリンも含め,計5種類の 抗凝固薬が出そろい各薬剤の特性を生かした薬の選択ができる時代となった。非 弁膜症性心房細動の塞栓予防に対して有効性を示した抗凝固薬であったが,今で は深部静脈血栓症や肺塞栓症に対する安全性かつ有効性も確認されている。アン ジオテンシンⅡ受容体遮断薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker;ARB)同様, 専門家による頻回の講演にて実地医家の先生方にも広まり,多くの患者に抗凝固 療法の必要性が浸透し,時代は確実にワルファリンからDOACへ移り変わってい る。そして,これまでに多くのデータが蓄積され,実臨床で使用されて新たにわ かった事実もみえてきた。ガイドラインも常に変化し,われわれは最新の情報を 入手する必要がある。適切な投薬管理により,心房細動が原因の脳梗塞を減らす ことを目標に,ガイドラインに準じた治療が求められている。とくに,出血ハイ リスク患者や周術期や侵襲的検査の前後の管理は日常臨床において重要であり, 本稿では2016年春までに報告されたエビデンスをまとめて概説する。
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