特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
治す DOACと抗血小板薬併用 そのリスク・ベネフィット
深谷 英平
1
,
阿古 潤哉
1北里大学 医学部循環器内科学
キーワード:
抗凝固剤
,
心房細動
,
多剤併用療法
,
臨床試験
,
血小板凝集阻害剤
,
心筋虚血
,
リスク評価
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Anticoagulants
,
Atrial Fibrillation
,
Clinical Trials as Topic
,
Drug Therapy, Combination
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Risk Assessment
,
Myocardial Ischemia
,
Percutaneous Coronary Intervention
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.67-73
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113624
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
冠動脈疾患,特に急性冠症候群に対する抗血栓療法は,その基盤にある動脈硬化 と不安定化プラークの破綻に引き続く血小板凝集が冠動脈閉塞につながるため, 抗血小板薬が第一選択となる。一方で,心房細動に対する抗血栓療法は,わが国 のガイドラインでは抗凝固療法のみが推奨されている。両疾患を合併した症例に おける適切な抗血栓療法については,過去にいくつかの試験が報告されているも のの,いまだ結論をみない。特に冠動脈形成術・ステント留置(percutaneous coronary intervention;PCI)後急性期には抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy;DAPT)が推奨されていることから,両疾患合併例では 抗凝固薬との3剤併用が避けられなかった。近年3剤併用による出血性合併症増 加の懸念から,欧米のガイドラインでは極力3剤併用期間の短縮が推奨され,ま たPCI直後から抗血小板薬を1剤とし(single antiplatelet therapy;SAPT), SAPT +抗凝固薬の有用性も報告されている。本稿では,直接経口抗凝固薬 (direct oral anticoagulant;DOAC)の冠動脈疾患への有用性,および心房細 動合併虚血性心疾患に対するDOACの可能性について現在進行中の臨床試験も含 め,概説する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.