特集 骨折治療の最前線
上腕骨骨折に対する髄内釘の限界打破
二村 謙太郎
1
,
最上 敦彦
1順天堂大学医学部附属静岡病院 整形外科
キーワード:
髄内固定法
,
骨ネイル
,
上腕骨骨折
,
回旋筋腱板
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Humeral Fractures
,
Rotator Cuff
pp.328-337
発行日 2017年4月19日
Published Date 2017/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017203067
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はじめに
上腕骨骨折に対する髄内釘固定は,その骨折高 位にかかわらず,常にプレート固定との二項対立 で語られる。近年,下肢長管骨骨折はもちろんの こと,上腕骨骨折においても髄内釘の適応拡大は 著しく,髄内釘による内固定は筆者が研修医で あった10年前と比較しても,格段に進歩したとい える。髄内釘の進化を考えるとき,①「従来は髄 内釘では固定することができなかった骨折型・骨 折高位」と②「髄内釘手技に伴う特有の合併症」の2 点の解決策に注目される。荷重肢ではなく機能肢 としての役割が大きい上腕骨では,それらの弱点 が克服されないのであれば,たちまちプレート固 定に分があるという判断に至るであろう。 本稿では,従来は髄内釘では固定することが困 難とされてきた骨折や,機能障害のリスクが高い とされてきた骨折に対して,髄内釘を成功に導く ための創意工夫を紹介する。
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