発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002198931
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成人上腕骨顆上骨折11例(遠位骨幹端骨折)に対する髄内釘内外顆刺入法について報告した.手術方法は,内上顆部に皮切を加え尺骨神経を損傷しないように錐にて刺入口を作製し,K-wireのオウルを上腕骨骨幹端部に向け刺入してピンの通過路を作り,Ender釘もしくはRushピンの先端部に彎曲をつけ骨折部まで打ち込み,同様に外顆部にもピンを打ち込む.2本が同時に骨折部を通過するように注意し,ピン尾端は骨皮質ギリギリまで深く打ちこんだ.2例にEnder釘の逸脱予防と骨折部安定のため,Ender釘末梢の穴を利用しK-wireとK-wireキャップによる横止めを追加し,他の2例にはEnder釘末梢の穴にAOミニスクリューを刺入してピンの逸脱を予防した.術後はDesault包帯固定で,翌日より肘・肩関節の稼動域訓練を開始した.10例に骨癒合が得られ,1例は遷延していた.本法は正確な整復,強固な固定が得られ,侵襲も小さく,抜釘も容易で非常に優れた治療法と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002